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外国人材で地方経済活性化|愛媛|出張記

更新日:2 日前


愛媛県、瀬戸内海にかかる橋と青空

こんにちは!グローバークス代表の森永です。

2024年7月7日~10日、2か月ぶりの愛媛出張へ行ってまいりました。


今回は3日間で、計8か所、民間企業6社(既存顧客2社、新規先4社)、短期大学1校(提携先)、県の公益財団法人1か所を訪問させていただきました。


弊社は愛媛県認可の「プロフェッショナル人材戦略拠点」登録企業として、外国人材紹介を通じて愛媛県の企業様の採用を支援させていただいています。



1)地方中小企業への外国人材紹介

今回の訪問で改めて実感したのは、地方の人材不足は深刻であり、外国人材で地方経済活性化を目指す企業が益々増えているということです。


数か月前にコンタクトを取った際は外国人採用に全く関心のなかった電気工事関連の企業様が、最近関心を持っていただけるようになり、今回初めて訪問させていただいた事例もございました。


特に技術系の人材に関してはその傾向が顕著だと感じています。地方の中小企業には日本人の技術系人材が集まりにくいことがその理由です。


その点では、地方の技術系企業と弊社が得意としているミャンマーやスリランカの技術系人材は、地方の中小企業との相性が非常に良いと感じています。


その理由は、ミャンマーとスリランカに共通する以下の3点です。


  1. 国内情勢が不安定であり、国外に出て働きたい若者が多い(ミャンマーは軍事クーデター、スリランカは財政破綻により)

  2. 工業が未成熟であり、現地の大学で工学を学んでも、専門知識を活かせる仕事が現地に少ない

  3. 仏教国かつ親日国であり、日本の組織に馴染みやすい国民性


上記の理由から、日本に行って自身の専門知識を活かしたいという優秀なエンジニアが多く存在します。そのため、人手不足が深刻な日本の地方都市のメーカーやIT企業へ弊社からご紹介したミャンマー人、スリランカ人のエンジニアが活躍する事例も増えています。

ひめ産業振興財団の外観、外国人材採用を検討している企業を紹介

今回訪問した (公財)えひめ産業振興財団 写真は財団ウェブサイトより 外国人材採用検討中の県内の企業様をご紹介いただきました


2)地域教育機関への外国人材紹介

今回は弊社の提携先である今治明徳短期大学様も訪問させていただきました。


今治明徳短期大学(通称:めいたん)は1966年開学の歴史ある私立短期大学です。

所在する愛媛県今治市は、愛媛県北東部に位置し、人口約14万人、造船やタオルの製造で有名な都市です。


めいたんは開学以来、地元密着型の短期大学として、地元企業や自治体との連携を通じて地域の教育拠点として大きな役割を果たしてきました。


しかし、少子高齢化により愛媛県および今治市の人口は年々減少しており、めいたんへの日本人学生の出願数も減少傾向でした。

そのような環境変化の中で、地域の高等教育を絶やさないため、数年前から外国人留学生の積極受け入れに舵を切りました。

愛媛県の人口推移を示すグラフ。昭和60年をピークに人口減少が続き、将来推計人口はさらに減少が予測されている。

出典:愛媛県庁 企画統計課  愛媛県の人口は昭和60年(1985年)以降毎年減少 令和5年以降は年間平均1.3万人減少見込み

 


現在では、めいたんの「国際観光ビジネスコース」で学ぶ学生の半数以上が外国人留学生となっています。

弊社はめいたんと外国人留学生の紹介契約を締結しており、ミャンマー人やスリランカ人留学生のご紹介を進めています。


めいたんでは日本語の補講、地域住民との交流、他学科の日本人学生との交流イベントも実施しており、留学生が地域に溶け込めるように配慮しています。このような手厚いサポート体制が、地方都市でありながら、外国人留学生に選ばれる理由にもなっています。


訪問日はちょうど、国際観光ビジネスコースの中国人留学生(調理師免許保有)が臨時講師となり、調理ビジネスコースの日本人学生に向けて中華料理の作り方を教える交流イベントを実施中でした。

調理ビジネスコースの学生たちが調理実習室で『青梗菜と椎茸の炒め物』の調理を学んでいる様子。
「青梗菜と椎茸の炒め物」の調理を学ぶ調理ビジネスコースの学生たち 調理実習室にて撮影



地域の高等教育機関の喪失は、若者の県外への流出に繋がります。高校卒業後も地元で学びたい若者は一定数存在するものの、地元に進学先が無ければ、他の大都市圏に出るしかありません。卒業後もそのまま大都市で就職し、地元に若者が戻って来なければ、地方の人手不足に拍車をかけることになります。


日本人学生が減っているなら外国人をというのは単純な話ですが、実際に外国人留学生の積極受け入れに舵を切るという経営者判断は難しいようです。その理由は、伝統を重んじるOB•OGの反対、教育現場での負担増を懸念する教職員の反対などが挙げられます。


今回面談させていただいためいたんの和泉学長は、各方面との調整を上手く行いつつ、留学生の積極受け入れを実現させた方で、非常に柔軟かつ実行力に長けた方という印象でした。


今後は多くの地方都市の短期大学や大学が、入学者数減少により経営難に直面すると言われています。

その打開策として、外国人留学生の積極受け入れに踏み出す短期大学は増えると思われるため、めいたんの先進的な取り組みはまさにモデルケースだと感じました。

今治明徳短期大学の和泉学長と学内で撮影した写真
今治明徳短期大学 和泉学長(中央)と学内で撮影 学長直々に校内をご案内いただきました

私自身も地方出身者として、地方経済の活性化に貢献したいという思いがあります。

地方の中小企業、教育機関への外国人材のご紹介により、地方を元気にする取り組みを行って参ります。



株式会社グローバークス

代表取締役 森永健太(中小企業診断士)


3)余談

今回宿泊した松山市は、私の大好きな作品である司馬遼太郎著『坂の上の雲』の舞台です。今回は日曜移動だったため、以前から行ってみたかった『坂の上の雲ミュージアム』にも行くことができました。明治時代の世界観に浸り、2時間半ほどゆっくりと館内を満喫しました。


主人公の一人である秋山真之が連合艦隊参謀として日本海海戦を勝利に導いたのは38歳。私は現在34歳。あと4年でこれほどの偉業を成せる気配は微塵もなく、明治の若者の気概にはただただ感服するばかりです。


しかしながら、『男子は生涯一事をなせば足る』という、秋山好古陸軍大将の言葉を胸に、コツコツと事業を進めて参りたいと思います。

坂の上の雲ミュージアム館内の展示物
坂の上の雲ミュージアム館内にて撮影

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