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外国人採用のメリット・デメリットは?現状と注意点も併せて解説

更新日:10月31日

目次



近年、少子高齢化などによる労働力不足を補う手段として、外国人採用が注目を集めています。外国人労働者を積極的に雇用することで、新たな人材の確保や国際的なビジネス展開の強化などが期待できます。


しかしその一方で、言葉や文化の違いによるコミュニケーションの問題や雇用手続きの複雑さなど、さまざまな課題も存在します。


外国人採用の現状やメリット・デメリット、注意すべきポイントについて詳しく解説します。


外国人採用の現状

ここではまず、日本国内における外国人採用の現状を紹介します。

外国人労働者は200万人越え

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、令和5年10月末時点における外国人労働者は2,048,675人となり、初めて200万人を超えました。


外国人労働者数は前年よりも225,950人(12.4%)増加しており、増加率は前年の5.5%から6.9%上昇しています。外国人労働者を雇用する事業者数も318,775所と、前年比で19,985所(6.7%)増加し、過去最高を更新しました。


近年の日本では、少子高齢化などの影響による労働力不足を補うため、外国人雇用の需要が高まっていることがわかります。



国籍・産業別の受け入れ状況

外国人労働者を国籍別にみるとベトナムが最も多く、518,364人で全体の25.3%を占めています。


ベトナムに次いで多いのは、中国(397,918人、19.4%)とフィリピン(226,846人、11.1%)です。近年では、インドネシアやミャンマー、ネパールなどの国からの労働者数も大幅に増加しています。


産業別にみると、外国人労働者の多くは製造業(全体の27%)に従事しており、次いで卸売業、小売業が積極的に外国人の雇用を行っています。特に人手不足が深刻な産業において、外国人労働者の需要が高くなっています。



外国人を採用するメリット

外国人を採用することで企業が得られる主なメリットは4つあります。


  • 人材の確保ができる

  • 外国人の対応ができる

  • 新たなアイデアや技術が生まれやすい

  • 企業イメージの向上につながる


人材の確保ができる

外国人を積極的に採用することで、企業は人材不足を補えます。


少子高齢化に伴い、特に建設業や医療・福祉、運輸業では人手不足が深刻です。外国人労働者を受け入れることで、幅広い労働力を確保し、事業の安定した運営が可能になります。


外国人労働者は定着率がやや低いという懸念もありますが、企業側が採用後の教育や労働環境の設備を行い、生活面のサポートを提供することで定着率を上げることは十分に可能です。


外国人採用により、企業は安定した労働力を確保し、長期的な事業運営を支えることができるでしょう。


外国人の対応ができる

外国人労働者を採用することで、企業は外国人の顧客やパートナーに対する対応力を強化できます。


グローバル化が進む昨今、外国語対応や異文化理解は、企業が競争力を維持するために不可欠な要素です。特に、観光業や小売業など、外国人観光客が多く利用する業界では、外国人従業員が重要な役割を果たすでしょう。


多言語対応や異文化理解の促進により、顧客満足度の向上やインバウンドによる企業の売上増加などが期待できます。


新たなアイデアや技術が生まれやすい

外国人採用により多様な視点や経験をもつ人材が集まることで、新たなアイデアや技術が生まれやすくなります。


異なる文化や価値観をもつ従業員同士が一緒に働くことは、これまでにない革新的な発想をもたらし、企業の競争力を向上させる要素となります。特に、外国市場に関する専門知識や技術力をもつ外国人労働者は、新規市場開拓や製品・サービス開発において大きく貢献する可能性があるでしょう。


企業イメージの向上につながる

企業イメージの向上につながることも、外国人を積極的に採用するメリットの1つです。


外国人労働者の採用は、企業の多様性や国際的な視点を示し、社会的信用を高める効果があります。多様性を尊重する企業としての取り組みや姿勢は、顧客や取引先はもちろん、求職者にも魅力的に映ります。


特に、CSR(企業の社会的責任)やSDGs(持続可能な開発目標)の重要性が増す現代において、外国人を採用し、ダイバーシティを推進する企業は社会的評価やブランド価値の向上につながるでしょう。


外国人を採用するデメリット

外国人労働者を採用することで考えられる主なデメリットを3つ紹介します。


  • 言語が異なるためコミュニケーションが取りにくい

  • 文化や生活習慣などの価値観が異なる

  • 雇用に関する手続きが難しい


言語が異なるためコミュニケーションが取りにくい

外国人労働者を採用する際、言語の違いによるコミュニケーションの難しさは企業が直面する課題の1つです。


日常業務の報告や指示を適切に伝えることができないと、誤解やミスが生じやすくなります。また、専門用語や業界特有の表現は外国人にとって理解しにくいことがあり、生産性や効率の低下につながるリスクも伴います。


言語の違いによるコミュニケーションの問題を解決するためには、多言語対応の資料を準備したり、外国人従業者向けの日本語教育を導入したりといったサポートの提供が大切です。


文化や生活習慣などの価値観が異なる

外国人労働者との文化や生活主幹などの価値観の違いは、業務において問題を引き起こすことがあります。


たとえば、働き方や時間の感覚、上司との関係性などの価値観が異なる場合、職場での摩擦が生じることがあります。また、宗教的な習慣や食事の制約など生活面での配慮が必要になることも。このような文化の違いを乗り越えるには、従業員全体で異文化理解を促進し、柔軟な働き方やサポート体制を整えることが求められます。


社内における異文化理解が進むことで、職場の調和を保つことが可能になります。


雇用に関する手続きが難しい

外国人を採用する場合、ビザの取得や在留資格の確認など、通常の雇用手続きよりも複雑なプロセスが必要です。これにより、採用時や在職中の法的な手続きに時間と労力がかかる場合があります。


さらに、各国の労働法や規制に対応する必要がある場合、これらを正しく理解し遵守するためには専門的な知識やサポートが必要です。手続きに不備があると、罰金や雇用の取り消しなどといったリスクも伴うため、雇用に向けては事前に十分な準備が求められます。


外国人を採用する際の注意点

企業が外国人労働者を採用するにあたって、留意しておきたい注意点を4つ紹介します。


  • 学歴・職歴などのバックグラウンドを確認する

  • 就労ビザや在留資格を確認する

  • 支援体制を整える

  • 国籍や人種の違いによる理解を深める


学歴・職歴などのバックグラウンドを確認する

外国人労働者を採用する際には、学歴や職歴などのバックグラウンドを慎重に確認することが大切です。


採用候補者が提示した情報が正確であるかどうかを見極め、虚偽の申告や経歴詐称を未然に防ぐことは、企業にとってのリスク回避につながります。


外国人の採用調査・雇用調査を行うJapanPIの小山氏より、「外国人採用(雇用)」について見解をお伺いしました。


過去30年間、日本は継続的なデフレと急激な円安に直面し、外国人が出稼ぎに来るメリットが減少しています。


日本は生活コストが低いため、給与水準が低くても国内で生活する分には不自由がないかもしれません。しかし、海外で働くことを検討するアジア圏の人材にとっては、日本よりもシンガポール、オーストラリア、アメリカ、カナダなどで働く方が経済的なメリットが圧倒的に大きくなっています。


また、日本語の特殊性から、アジア圏の優秀な人材は英語を学ぶ傾向が強く、結果として英語圏での就労に魅力を感じています。


このような状況下で、少子高齢化による労働力不足を理由にアジア圏の人材を安易に採用する考え方は見直す必要があると考えます。


技能実習生として来日した外国人労働者が、不法滞在や犯罪に関与するケースが社会問題となっています。受け入れ企業が彼らを単なる安い労働力として扱っている背景があり、多くの実習生が失踪し、日本に残留する事態が発生しています。その一部が犯罪に関与し、治安の悪化につながっているのです。


日本企業は彼らを格下に見るのではなく、文化的な違いに積極的に歩み寄り、同じ人間として暖かく受け入れる姿勢に転換する必要があるでしょう。


アジア圏やその他の地域には優秀な大学を卒業し、多言語を操る高度な人材が存在します。


こうした人材は、日本の産業にイノベーションをもたらす可能性があり、適切なバックグラウンドチェックとスクリーニングを経て積極的に採用していくことが、日本の国力の将来に大きく影響します。そのため、一般的な日本の給与水準を上回る報酬を提供することも検討し、高度な外国人材を積極的に雇用することが、日本社会の生き残り戦略として非常に重要になると考えます。


外国人採用においてバックグラウンドチェックを行うには時間と費用がかかります。採用リスクを低減しつつ、採用プロセスをスムーズに進めるためにも、調査のプロへの依頼を検討してもよいでしょう。


就労ビザや在留資格を確認する

外国人を合法的に雇用するためには、就労ビザや在留資格を適切に確認する必要があります。


特定の在留資格では一定の職種でしか働けない場合があるため、雇用契約を結ぶ前に資格が業務内容に適しているかどうかを確認することが必要です。ビザや在留資格に不備があった場合、企業は法的リスクを負う可能性があるため、正確な確認手続きを行うことが重要です。


また、在留期間の更新にも注意が必要です。定期的に確認することで、不測の事態を防ぎましょう。


支援体制を整える

外国人労働者が新しい労働環境に適応できるよう、企業側は支援体制を整えることが求められます。


前述したように、言語や文化の違いなどから、日常業務や職場でのコミュニケーションに困難が生じることがあるため、多言語対応の資料や日本語教育プログラムなどを導入することが理想的です。


また、住居や生活に関するサポートも必要になる場合があります。従業員が安心して働ける環境を整えることは、定着率の向上につながります。企業全体で支援の仕組みを構築し、継続的なサポートを提供することが大切です。


国籍や人種の違いによる理解を深める

外国人労働者を採用するにあたっては、国籍や人種の違いに対する理解を深めることが欠かせません。


文化や宗教の違いなどが日常業務や対人関係に影響を及ぼすことがあるため、企業内で多様性の尊重を促進する取り組みが重要です。たとえば、ワークショップや研修などを通じて、異文化理解を促進すると効果的でしょう。


従業員全員がお互いの違いを尊重し、理解し合える環境を作ることで、職場のトラブルを防ぎ、良好な職場文化を築くことができます。


まとめ

本記事では、外国人採用の現状やメリット・デメリット、注意すべきポイントについて解説しました。


外国人採用は企業にとって大きなメリットがある一方、課題も多いプロセスです。言語や文化の違いによるコミュニケーションの難しさや手続きの複雑さなどの課題に対処するためには、支援体制の構築やバックグラウンドチェックの外注などといった工夫が欠かせません。


今回の記事で紹介したメリット・デメリットを参考に、外国人採用を選考させるための準備を進めていきましょう。


外国人労働者採用をご検討中の企業様へ

外国人材を採用する際には、通常の日本人雇用とは異なり、ビザ申請手続きや生活支援が求められます。弊社は、スリランカ、ミャンマー、ベトナム、中国、インドネシアの5か国との連携を保ち、スムーズな採用プロセスを全面的にサポートいたします。

また、出入国在留管理庁認定の登録支援機関として、外国人労働者の受け入れから入社後のサポートまで、手厚い支援を提供しています。

さんせん清水様のような先進的な企業と共に、外国人労働者が日本で活躍できる環境づくりを目指し、人手不足の解消と企業の成長に向けて、心を込めてサポートさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。




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■ この記事を書いた人

株式会社グローバークス 代表取締役 

森永 健太

株式会社グローバークスのChief Marketing Officerである趙小雨氏が船上で撮影した写真。

新卒で川崎重工業(株)に入社後、海外営業および新卒採用リクルーター業務に従事。優秀な外国人の同僚の活躍を目の当たりにする中で、日本の良い製品・サービス・文化を世界に広めるには外国人材の活躍が不可欠であると実感。「外国人財の活躍促進による日本社会の活性化」を通じて、日本企業の国際競争力の向上、労働力不足の解消に貢献したいという思いから、株式会社グローバークスを設立。 

慶應義塾大学大学院修了(経営学修士) / 中小企業診断士 


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